お世話担当みいなあれ?濡れていないのにブルブルってしてる。なんでだろう??



良いところに気がついたね!わんちゃんのそのブルブル、水を飛ばしたり、汚れを落としたりする意味だけではなく、気持ちを表していることがあるよ!
「楽しそう!」と思っていたら、急にわんちゃんが不機嫌に…そんな経験があなたにもあるのではないでしょうか?
言葉を話せないわんちゃんたちは、体全体を使った「ボディランゲージ」で、私たちに一生懸命気持ちを伝えてくれています。
その代表的なサインの一つが、今回ご紹介する「ブルブル」という行動です。
実はこの「ブルブル」という行動、単に体を乾かすだけでなく、「嬉しい!」という喜びから「ちょっと怖い…」という不安まで、たくさんの感情が隠された奥深いサインです。
私たち『まるまるハウス』は、ペットホテルとして年間100頭以上のわんちゃんをお預かりしています。日々たくさんのわんちゃんのサインに触れる中で培った、お世話のプロとしての視点は自信があります。
この記事では、「ブルブル」に隠された理由を、生理的なものから心理的なものまで分かりやすく解説し、さらに、そのサインを見つけた時に飼い主さんがどう対応すれば良いかまでをお伝えします。
愛犬の気持ちがもっと分かれば、これまで以上に絆が深まること間違いなしです!
まずは基本から!犬がブルブルする主な理由


犬の「ブルブル」は、大きく分けると「生理的」と「心理的」な理由があります。まずはこの基本を押さえておきましょう。
理由1:体をリセット!生理的なブルブル
生理的なブルブルは、犬が自分の体を快適に保つための、本能的なセルフケア行動です。
体を乾かす・汚れを落とす
お風呂上がりや雨の日の散歩の後、体についた水分を弾き飛ばすための行動です。
ある分析では、わずか4秒間のブルブルで体の水分の約70%を吹き飛ばすと言われています。これは自然乾燥の5000分の1のエネルギーしか使わない、非常に効率的な方法です。
また、水分だけでなく、体に付着したホコリやゴミ、抜け毛、虫などを落とす役割もあります。
気持ちと体を切り替える
寝起きにブルブルするのは、凝り固まった筋肉をほぐし、「さあ、起きるぞ!」と気持ちを切り替えているサイン。
また、撫さわられたり抱っこされたりした後に、乱れた被毛を整える意味合いもあります。
トレーニングの合間など、ある行動から次の行動へ移る際の心身のリセットとしても見られます。
理由2:気持ちを整える!心理的なブルブル
犬は自分の心の状態を調整するためにもブルブルします。これは「シェイクオフ」とも呼ばれ、心と体のバランスを整える大切な行動です。
「嬉しい!」「大好き!」のサイン
飼い主さんの帰宅時や、楽しい遊びの最中など、ポジティブな気持ちが高まったときにもブルブルとします!
これは興奮した気持ちを表現すると同時に、少し落ち着かせようとする役割もあります。



「お散歩いくよ~」の時にするブルブルはこれですね。



わんちゃん自身が「あ、興奮しすぎちゃった!切り替え、切り替え」と落ちつこうとしている可能性もあるね。
「ストレス」「不安」を振り払うサイン
動物病院の待合室、雷や花火の大きな音、知らない人との遭遇など、犬が「怖いな」「嫌だな」と感じた直後にブルブルすることがあります。
これは、人間が深呼吸をして心を落ち着けるのに似ており、溜まったストレスや緊張を自分の中から振り払い、ネガティブな気持ちをリセットしようとしている大切なサイン「カーミングシグナル」です。
苦手なことから解放された直後に「ふぅ、終わった…」というようにブルブルすることもあります。



初めて『まるまるハウス』にくる子がブルブルしているときって…?



そうそう。不安で自分で落ち着こうと一生懸命かもしれないね。
犬の言葉「カーミングシグナル」としてのブルブル


心理的なブルブルでもご紹介しましたが、犬のブルブルを理解する上で欠かせないのが「カーミングシグナル」という考え方です。
カーミングシグナル = “気持ちを落ち着かせる”サイン
カーミングシグナルとは、犬がストレスを感じた時に、自分自身や相手を落ち着かせるために行うボディランゲージのことです。
緊張した時に、犬が「ちょっとイヤだな」「落ち着こう」という気持ちを表現するサインであり、体をブルブルさせる行動は、その代表的なものの一つです。
緊張で硬直した体をほぐし、リラックスしたいという気持ちの表れでもあり、犬同士のコミュニケーションでも使われます。



対人間で考えがちですけど、犬同士でも使われるコミュニケーションなんですね!



そうだよ。だからわんちゃんが集まっているところで頻繁にブルブルしている子がいたら、その場から離してあげた方がよいかもしれないね。
他にもある!知っておきたいカーミングシグナル
ブルブル以外にも、様々なカーミングシグナルがあります。愛犬の気持ちをより深く理解するために、いくつか知っておきましょう。
ただし、これらの行動は状況によって意味が異なるため、その場の状況や愛犬の表情など、全体を見て判断することが大切です。
| カーミングシグナル | 状況と意味の例 |
|---|---|
| 体をかく | トレーニング中や指示が分からず困った時に「もうやめたいな」という気持ちです。 |
| あくびをする | 動物病院の診察台など、苦手な状況で自分を冷静にさせるため。深呼吸に近い効果。 |
| 目をそらす | 相手に「あなたに敵意はありませんよ」と伝えたり、プレッシャーを感じたりした時。 |
| 背中を向ける | 相手を落ち着かせたい時や、その場から離れたい時。 |
かゆい!痛い!耳のトラブルが原因のブルブル


もし愛犬が、体全体を震わせるというより「頭だけをしきりに振る」ようなブルブルを繰り返しているなら耳に不快感があるサインかもしれません。
こんな症状はありませんか?耳のチェックリスト
- 耳から嫌な臭いがする
- 黒や黄色の耳垢がたくさん出ている
- 耳の内部や入り口が赤く腫れている
- 耳を触られるのを嫌がる
- 後ろ足でしきりに耳を掻いている
これらのサインが見られる場合、外耳炎や耳ダニなどの病気の可能性があります。
耳のトラブルは放置すると悪化しやすいので、早めに動物病院で診てもらいましょう。



耳のトラブルからのブルブルと通常のブルブルの見分け方はありますか?



ブルブルした後に耳を掻く様子があったら、耳が原因のブルブルの可能性が高いね。
注意が必要な「ブルブル」と「震え」の違い


ほとんどのブルブルは犬にとって正常な行動ですが、中には健康問題のサインもあります。
特に、力強い「ブルブル」と、弱々しい「震え」は区別が必要です。
こんなサインは要注意!
- 頻度の異常
明確な理由がないのに、あまりにも頻繁に体を振る。 - 震え方の違い
水を飛ばすような力強いものではなく、小刻みにカタカタと弱々しく震え続けている。 - 他の症状
元気がない、食欲がない、水を飲む量が変わったなど、普段と違う様子が見られる。
様子がおかしいと感じたら、迷わず動物病院を受診してください。
以下の見極めポイントに該当していないかも確認しましょう。
- 寒さ
特に小型犬やシニア犬は体温調節が苦手です。暖かくしても震えが続く場合は他の原因も考えられます。 - 痛みや恐怖
ケガや病気の痛み、雷や花火など極度の恐怖が原因の場合。 - 病気の可能性
中毒、てんかん発作、低血糖、神経系の病気など、様々な病気が震えの原因となり得ます。
愛犬のサインに気づいた飼い主さんの役割


愛犬のブルブルの意味を理解することは、愛犬の心と体の状態を把握し、より良い関係を築くための第一歩です。
愛犬の「イヤですサイン(カーミングシグナル)」を読み取り、ストレスの原因を取り除いてあげることで、愛犬は「この人は分かってくれる!」とあなたを深く信頼するようになります。
もし愛犬が不安や緊張からブルブルしていることに気づいたら、無理に撫でたり、抱っこするのではなく、その場から離れるのが一番良いです。



犬にとって撫でられる=嬉しいことでない可能性もあるからね。



わんちゃんから望んで来てくれるのを待つことが、わんちゃんの気持ちに寄り添うことになるんですね!
まとめ|ブルブルは「愛犬からのメッセージ」


愛犬の「ブルブル」は、単なる癖ではなく、彼らの体と心の状態を私たちに伝えてくれる、とても大切なメッセージです。
- 体をリセットする生理的な行動
- ストレスや喜びを表現する心理的な行動
日頃から愛犬の様子をよく観察し、その時の状況や表情、他のボディランゲージと合わせて見ることで、そのサインの意味をより深く理解することができます。
私たち『まるまるハウス』では、お預かりするワンちゃん一頭一頭の小さなサインにも気を配り、安心して過ごせる環境づくりを心がけています。
この記事が、皆さんと愛犬とのコミュニケーションの一助となれば幸いです。
愛犬の言葉に耳を傾け、これからも素敵なドッグライフを送ってくださいね!



私もたくさんのわんちゃんと触れ合いながら観察力を鍛えます!



その意気!一緒に勉強していこう!











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