ペットホテルの予約は コチラ

【ペットホテルのプロが語る】犬の分離不安、原因は1つじゃない?今日からできる効果的なアプローチ

こんにちは!ペットホテルまるまるハウスです。私たちは「犬のお泊まり」のプロとして、様々な個性を持つワンちゃんたちと接してきました。

「ちょっとゴミ出しに行くだけなのに、キャンキャン鳴き続ける…」
「帰ってきたら部屋がぐちゃぐちゃ…どうして?」
「愛犬を置いて出かけるのが、正直怖い…」

私たちペットホテルのスタッフは、日々たくさんのワンちゃんと飼い主様をお迎えする中で、こうした「お留守番」に関する深い悩みをよく耳にします。特に、飼い主様と離れることに強い不安を感じてしまう「犬の分離不安」は、ワンちゃん自身にとっても、そして飼い主様にとっても、とても辛い問題ですよね。

「うちの子、分離不安かも…」「ペットホテルに預けたいけど、大丈夫かな?」そんな不安を抱えていらっしゃる飼い主様は少なくありません。

この記事では、ペットホテルのプロの視点から、犬の分離不安について、その原因、そして今日からできる効果的なアプローチを分かりやすく解説します。

ワンちゃんの行動の裏にある気持ちを理解し、より良い関係を築くための一歩を踏み出しましょう!

目次

あなたの愛犬は大丈夫?「分離不安」とは

犬の分離不安とは、飼い主様と離れることに対して、過剰な不安や恐怖を感じ、それによって様々な問題行動を起こしてしまう状態を指します。単なる「寂しがり屋」や「甘えん坊」とは異なり、ワンちゃん自身がコントロールできないほどの強いストレスを感じていることが特徴です。

分離不安の主な症状

分離不安の症状には複数の様子が見られます。見極めは専門家でないと難しい部分がありますが、症状を知っておくことは大事です。早速、分離不安に該当する症状を見ていきましょう。

過剰に吠える、長時間鳴き続ける

飼い主さんの不在中や、姿が見えなくなったときに長時間吠え続けたり、クーンクーンと長時間鼻鳴きし続けることが症状として挙げられます。さみしがり屋の子であっても、通常であれば長くて10分程度で静かになりますが、分離不安の疑いがあるワンちゃんは、半日以上吠え続けることがあり、声がれしてしまうことがあります。また、ケージに入れられるとひどく吠える場合もあります。

破壊行動

飼い主さんが離れたり見えなくなったときに、ドアや壁を引っ掻く、家具を噛む、物を壊すなどの行動を起こすことが症状として挙げられます。飼い主さんが出かけた場所(ドア周辺など)が対象になることも多いです。幼いワンちゃんは時折時間を持て余してしまいこのような行動を起こすことがありますが、見極めとしては「飼い主さんがいてもやるのかどうか」です。もし飼い主さんが不在の時に限り起こることだった場合、分離不安の可能性があります。

不適切な場所での排泄

トイレのしつけができていたにも関わらず、留守番中に限って粗相をしてしまうことが症状として挙げられます。この症状に関しても前述のものと同様に、ワンちゃんの幼さからくる行動ということもあり得ますが、飼い主さんがいるときはできていて、いなくなるとできなくなるといった様子が見られた場合は、分離不安の可能性があります。

常同行動

同じ場所を行ったり来たりしたり、自分の尻尾を追いかけ続けたり、体を過剰に舐め続けるなど、目的のない行動を繰り返すことを常同行動と言います。緊張や不安によって引き起こされることがありますが、多くの場合はその環境に適応し、時間の経過によって行動は少なくなっていきます。しかし、分離不安による症状として現れる常同行動は、時間が経過しても止まることがなく、かつその行動で痛みを感じる結果になっても止まることがありません。

食欲不振・元気消失

飼い主さんがいないと、ご飯を食べない、水も飲まないという状態になり、結果的にぐったりしてしまうということが症状として挙げられます。まるまるハウスのよくある事例として、ペットホテルに来たことによる環境の変化にまだ適応できておらず、2日ほどご飯が食べられないということはよく見られます。しかし、多くの場合は、2日目の夜までには、ごはんやおやつが少量でも食べられるようになる子がほとんどです。もしペットホテル等に預けて、2日間以上全く食べ物を口にしないということがあった場合、分離不安を疑いましょう。

飼い主の外出準備への過敏な反応

飼い主さんが着替えたり、鍵を持ったりすると、ソワソワと落ち着かなくなり、吠えたり震えたりすることが症状として挙げられます。通常のワンちゃんでも、飼い主さんがいなくなる雰囲気を感じるとソワソワし始めますが、多くの場合はソワソワするのみで震えたり、吠えたりすることはありません。もしそのような過敏な行動が見られた場合は、分離不安の可能性があります。


お散歩担当ゆうき

う~ん、これが複数個該当したら分離不安の可能性が高いのか…。意外と該当するワンちゃんっているのかもしれないね。

はるか先生

そうだね。でも勘違いしてはいけないのは、「分離不安だからダメ」ではなくて、正しく症状を知って、少しでも早くワンちゃんの不安や恐怖を解消するというのが大切だよ。

1つじゃない?分離不安の原因

犬の分離不安は、単一の原因ではなく、複数の要因が複雑に絡み合って発症することが多いと考えられています。

以下に身近で原因になりそうなことをピックアップしてみました。確認してみましょう。

1.飼い主さんの過度な依存や愛着

お散歩担当ゆうき

げ、いきなりこれか!耳が痛い…。

はるか先生

そうだね。まるまるハウス自身が原因にならないように気をつけなくちゃね。

飼い主さんが常にワンちゃんの要求に応えたり、過剰に構いすぎたり、どこへ行くにも連れて行くことが日常化していると、ワンちゃんが年齢を重ねたときに分離不安の症状が強く出てしまうことがあります。

これは単に甘やかしてしまうということが悪いのではく、ワンちゃんが自立心を持てるようになる機会を、私たちが与えていないということが問題です。適度に人と関り、適度に一人で過ごしてもらう。難しいですが、大切なことです。

ペットホテルまるまるハウスでは、他店と比べてスキンシップの時間を多めにとっていますが、その関わり方のメリハリにはかなり気を使っています。ワンちゃんに喜んでほしい、楽しんでほしいという気持ちは持ちつつ、人と遊ぶ時間だけでなく、一人で遊べるおもちゃなどを用意して遊んでもらうことで、自立心を育むという意図をもって関わっています。

2.家族構成の変化(新しいペット、赤ちゃんの誕生、同居家族や他のペットとの死別・離別など)

お散歩担当ゆうき

これは人にとっても大きな変化だから、当然ワンちゃんにとってもストレスになりうるよね。

はるか先生

そうだよ。ワンちゃんは特に仲間意識が強いから、いつもいる人やペットが急にいなくなると強いストレスを感じてしまうんだよ。

家族構成が変わることで、これまで分離不安の症状が全くなかったワンちゃんが急に落ち着かなくなったり、夜鳴きしたりするケースも珍しくありません。特に大切な家族との死別、離別という事象は、ワンちゃんにとってもすごくつらい出来事になります。

ワンちゃんたちは飼い主さんの様子をよく見ています。飼い主さんの悲しそう、寂しそうな様子を見て、同じように悲しく、寂しく思ってしまうのが共感力の高い「犬」という生き物の特徴です。同じように共感してくれるのは、すごく嬉しいことですし、飼い主さんにとっての心の支えになることは間違いありませんが、それが時として分離不安につながる可能性があるということは覚えておきたいですね。

しかし、それを分かっていても、悲しい、寂しいことを我慢して見せないようにするのはとても難しいことです。そんなときは、あえて他の人やワンちゃんとの触れ合いがあるところに預けてみるのも良いかもしれませんね。

3.過去のトラウマ体験

お散歩担当ゆうき

トラウマがよみがえると落ち着かなくなるのは犬も人も一緒だね。

はるか先生

特に幼少期にした経験は年齢を重ねても強く残る傾向があるから、早めの解消が必要になるよ。

特に飼い主さんと離れている留守番中に怖い経験をすると、それがトラウマとなり分離不安を発症することがあります。例として雷や地震、花火、工事の騒音などがよく挙げられます。大きな音や振動は、ワンちゃんにとってすごくストレスになりますので、できるだけそういった環境は避けたいです。

また、クレート内に長時間閉じ込められたり、虐待などのつらい経験もトラウマとなり、分離不安の原因になりえます。

まるまるハウスでは、クレートや犬舎に対してネガティブなイメージを持っているワンちゃんがお泊りすることもあるため、犬舎ができるだけワンちゃんにとって良い場所になるように玩具を用意したり、おやつを犬舎内で食べる訓練をしたり、いきなり長時間犬舎で過ごすことがないようにしています。

まるまるハウスがやっている、今日からできる!分離不安への効果的なアプローチ

分離不安の解消には時間がかかることもありますが、焦らず根気強く取り組むことが大切です。

お散歩担当ゆうき

まるまるハウスで実際にやっていることピックアップしてみたよ!

はるか先生

比較的に簡単にできることが多いから試してみてね

分離不安の症状が強い場合(自傷行為がある、嚙みつきがある)は、お薬等の処方が必要な場合があります。そういった場合は、獣医師への相談が必須です。安易にしつけ教室に預けるのではなく、獣医師さんの見解を参考にしながら対策を考えましょう。

1.クレートトレーニング

クレートトレーニングというと幼犬のイメージがあるかと思いますが、成犬でも十分に成果が出ます。ワンちゃんに「クレートは安全で楽しい場所だ」と教えてあげることが大切です。絶対に無理強いせず、ワンちゃん自身の意志でクレートに近づき、入るように仕向けることが最も重要です。

まるまるハウスでの実践

①.犬舎のドアを開けたままにして、「ハウス」と声掛けしながら犬舎内におやつを投げ入れます。

②.中に入ることができたら、さらに追加でおやつを渡しながら「えらいね!」と声を掛けます。

③.ワンちゃんが出てきたら少し時間を空けます。焦りは禁物です。

④.もう一度①、②を繰り替えします。

⑤何日も繰り返すことで自然と入る時が出てきます。そうしたら、そっと気づかれないようにおやつを入れ、「ここにいると良いことがある!」と認識してもらいます。

⑥おやつに慣れてきたら好きなおもちゃも試してみます。クレート内をワンちゃんにとって素敵な空間にしていくことが成功への鍵です。

※ご家庭で実践する場合はワンちゃんがクレートを大好きになるまで、長時間閉じ込めるようなことはしないようにしましょう。

はるか先生

毎日コツコツが大事だよ!

2.メリハリのある関り

原因の部分でも触れましたが、飼い主さんの行動が時に分離不安を引き起こしてしまうケースがあります。犬舎・クレートに入っていない時間を全てスキンシップに使ってしまうのは、お互いの依存を招いてしまう可能性があるので気をつけたいですね。遊ぶ・触れ合う時間と、近くにいても触れ合わない時間を意図的に作ることでメリハリのある関りができます。今は無意味に思えても、災害時や何らかの理由でペットホテルに預けないといけない時に向けてワンちゃんの自立心を育てておくことで、極度の不安や恐怖を避けることができます。

まるまるハウスでの実践

・時間を決めて関わるようにします。スキンシップの時間は最大限の愛情を!それ以外の時間は、ワンちゃんには集中せず、飼い主さん別のこと(料理、読書等、なんでも!)に集中します。ワンちゃんが上手に過ごすことができたら、次のスキンシップの時間に褒めます。この流れを続けることで意識しなくても、メリハリのある関りができるようになります。

・スキンシップの時間は対人遊び、それ以外の時間は知育トイを使用した一人遊びができるような環境を用意します。前述のクレートトレーニングと混ぜることで相乗効果が狙えます。

お散歩担当ゆうき

ワンちゃんは賢いから、どんなことで飼い主さんが喜んでくれるのかをよく見ています!こちらがきちんと決めて関わることで案外早く身につくかもしれませんね!

3.コマンドの習得と実践

分離不安とコマンドには一見あまり関係がないように思えますが、意外にも関係があります。

犬という生き物は本来「群れ」で生活する生き物です。群れにはリーダーがおり、リーダーが指示を出すことで群れを統率しています。私たち人がその指示=コマンドを使いこなし、きちんとそのリーダー役を担うことでワンちゃんたちの不安を解消していきましょう。

「うちの子成犬なんだけど…」そんな心配があるかもしれませんが大丈夫です。幼犬でなくても、根気よく練習することでコマンドを習得することができます。

まるまるハウスでの実践

【チェック(こっちを見て)の練習】

チェック(見て)はコマンドの基本です。一番最初に習得を目指します。

①.大好きなおやつを準備します。

②.おやつを手のひらにのせて握り、そのままワンちゃんににおいを嗅いでもらいます。

③.おやつに注目してくれたら、その手を自分の顎付近にもってきます。

④.「チェック(見て)」と声をかけ、顔を見上げている状態を3秒キープします。

⑤「よし!」と声をかけておやつを手渡して褒めます。

※①から⑥を日常的に繰り返します。

 慣れてきたら、「お手」「お座り」を組み合わせてみましょう。慣れてきたかの目安は、手を顔付近に持ってきていなくても、飼い主さんの顔を見上げられているかどうかがポイントです。

ペットホテルは分離不安の犬にとって敵?味方?プロの視点

分離不安の症状が心配だったり、初めてペットホテルに預ける方は以下のように思うことがないでしょうか?

「分離不安があるうちの子を、ペットホテルに預けるなんて…余計ひどくなるのでは?」
「ペットホテルが原因で分離不安になってしまうじゃないかな…」

そう心配される飼い主さんのお気持ちは、痛いほどよく分かります。

結論から言うと、ペットホテルは、選び方と使い方次第で、分離不安のワンちゃんにとって心強い味方にもなり得ます

ペットホテルを経営しているからこそお伝えできる、ペットホテル選びのポイントと上手につかいこなすポイントを以下にまとめましたので、参考にしてください。

【ペットホテル選びのポイント】

分離不安の知識があるか

 どんなワンちゃんも普段と違う場所で過ごすことに不安を抱えています。ペットホテルの対応一つで分離不安の症状が出るかもしれないことを知っており、最大限配慮できるペットホテルは優良です。

スタッフの質

 ワンちゃんの特性や性格に合わせてお世話しようという気持ちをもっているか、軽々しく「それはできません」と言わずに、オプションなどを考慮して飼い主さんの要望に応えようとする姿勢はあるかを事前のヒアリングや口コミで確認しましょう。

□連絡がこまめかどうか

 万が一、体調が悪化した場合などの対応体制を確認しておきましょう。また、こまめに連絡をしてくれているかどうかも確認しておきましょう。

お散歩担当ゆうき

まるまるハウスは特にスタッフの質にはこだわっています。
飼い主さんの要望を「どうしたらできるか」を常に考えてサービスを提供しています!

上手に使いこなすポイント【ペットホテルを味方につけるには?】

「お泊まり」練習の場として活用

いきなり長期間預けるのではなく、まずは数時間の短時間預かりから試してみましょう。ワンちゃんが「ここは安全な場所だ」「飼い主さんは必ず迎えに来てくれる」と学習する良い機会になります。

・事前の情報共有

愛犬の性格、分離不安の具体的な症状、好きなこと、苦手なこと、普段の生活リズムなどを詳しくペットホテルに伝えましょう。情報があるかどうかで対応できるお世話の幅が広がります。

預けるときにはお気に入りグッズを持参

犬舎で過ごす時間というのは、ワンちゃんにとって寂しい時間になりがちです。いつも使っているベッドや毛布、おもちゃなど、安心できる匂いがついたものが犬舎の中にあると、それだけでもワンちゃんのストレス軽減に繋がります。

・信頼できるプロに任せる安心感

飼い主様が不安な気持ちで預けると、その不安はワンちゃんにも伝わります。信頼できるホテルを見つけ、「プロに任せよう」と前向きな気持ちで送り出してあげることも大切です。

分離不安の症状が非常に重い場合や、環境の変化に極端に弱い子の場合は、無理にペットホテルを利用せず、まずはかかりつけの獣医師に相談し、対策の方向性を決めてから練習、訓練をしていきましょう。

まとめ

分離不安の症状は、ワンちゃん自身が発するSOSサインです。その原因は様々で、解消のためには、愛犬の性格に合わせた根気強いアプローチが必要です。

「早く治さなきゃ」と焦る気持ちは分かりますが、まずはワンちゃんの気持ちに寄り添い、安心できる環境を整えることから始めてみてください。そして、時には私たちペットホテルのようなお預かりのプロや、獣医師、ドッグトレーナーの力を借りることも大切です。

ワンちゃんとの信頼関係を何よりも大切に、一緒にこの問題を乗り越えていきましょう。

ペットホテルまるまるハウスからのお知らせ

当ホテルでは、ワンちゃんの性格や状態に合わせたお預かりを心がけております。分離不安が心配なワンちゃんのペットホテル利用や、短時間の「お泊まり練習(一時預かり)」についても、どうぞお気軽にご相談ください。経験豊富なスタッフが、飼い主様とワンちゃんをサポートいたします。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

お散歩担当ゆうきのアバター お散歩担当ゆうき まるまるぶろぐ管理人

ペットホテルまるまるハウスのお散歩担当。福祉の仕事の傍ら100匹以上の犬、猫、小動物、爬虫類のお世話をしている。

コメント

コメントする

目次