「猫と仲良くなりたいのに、なぜかいつも逃げられてしまう…」
「うちの子、私のこと本当に好きなのかな?なんだか素っ気ない気がする…」
猫と暮らす中で、こんな風に少し寂しい気持ちになったことはありませんか?
私たちペットホテル『まるまるハウス』は、365日体制で猫ちゃんの預かりやペットシッターを行っています。日々たくさんの猫ちゃんをお預かりする中で、「猫に自然と好かれる人」には、実はいくつかの共通点があることに気づかされます。
そして、多くの方が見過ごしがちなのですが、猫ちゃんは猫ちゃんなりに、飼い主さんへたくさんの「大好き!」を送ってくれているんです。

この記事では、猫の「好き」と「嫌い」を正しく理解して愛猫ともっともっと仲良くなるための秘訣を、ペットホテルのスタッフならではの視点で分かりやすく解説していきます。



この記事を読み終える頃には、あなたも愛猫から絶大な信頼を寄せられる「猫たらし」になっているかもしれませんね。
なぜか猫に好かれる人の3つの共通点


猫はとても繊細で、自分のペースを大切にする生き物です。
猫に好かれる人は、それを本能的に理解し、猫が「この人は安心できる」と感じる振る舞いを自然と行っています。
その共通点を3つまとめてみましたので、「自分はどうだろう?」の視点で確認してみましょう。
- 猫のペースを尊重する「待ち」の姿勢
- 落ち着きを与える「優しい声」と「ゆっくりした動き」
- 猫の「好き」を読み取る観察眼
共通点1:猫のペースを尊重する「待ち」の姿勢
猫に好かれたいと思うあまり、自分から積極的に「抱っこしよう!」「撫でよう!」と追いかけていませんか?
実はこの「人側から触りに行く」という行動は猫にとっては大きなストレスになります。警戒心の強い猫は、「大きな何かがすごい勢いで迫ってくる!」と恐怖を感じてしまうのです。
猫に好かれる人は、決して自分からグイグイいきません。
まずは猫と同じ空間にいることに慣れてもらい、猫の方から興味を持って近づいてきてくれるのを、静かに待ちます。猫が自分からスリスリしてきたり、そばでくつろぎ始めたりしたら、それは「あなたのことを受け入れましたよ」というサインです。



安心する相手だと、猫ちゃん自ら来てくれるよね。



そう!もっと詳しく解説すると、近くに来て、匂いをたっぷり嗅いでもらうことが仲良しになるコツだね。
共通点2:落ち着きを与える「優しい声」と「ゆっくりした動き」
猫は、大きな音や素早い動きが苦手です。これは、野生時代に自分より大きな動物から身を守っていた名残だと言われています。
猫に好かれる人は、常に「ゆっくり」と「優しく」を心がけています。
- 高いトーンで、穏やかに話しかける
- 急に立ち上がったり、大きな足音を立てたりしない
- 猫に触れるときは、まず匂いを嗅がせてから、ゆっくりと手を伸ばす
こうした落ち着いた振る舞いが、猫に「この人は自分に危害を加えない安全な存在だ」という安心感を与えるのです。



やっぱり低めの声は怖がる子が多いね。僕は声が低めだから、慣れてもらえるのに時間がかかることも多いよ。



声に関しては、女性の方が有利なことは確かにあるね。でも少し時間がかかるだけで、他の要素「動き」「匂い」を大事にすることで、ちゃんと仲良くなれるから大丈夫だよ!
共通点3:猫の「好き」を読み取る観察眼
「うちの子は、あごの下を撫でられるのが好き」
「このおもちゃで遊んでいるときが、一番楽しそう」
猫に好かれる人は、日頃から愛猫のことをよーく観察しています。そして、表情やしぐさ、鳴き声といった小さなサインから、「今、何をしてほしいのか」「何が嫌なのか」を的確に読み取ろうと努めています。
猫の気持ちを理解しようとするその姿勢こそが、猫からの信頼を勝ち取る一番の近道です。



猫になつかれる人はやっぱり、猫が好きなことを見つけるのが早いし、タイミングの取り方がうまいよね。



過剰にならないタイミングで関りをとめるのがポイントだね。それを早く察知できるということは、それだけ早く仲良くなれるということだね!
見逃し厳禁!愛猫からの「大好き!」サイン7選


猫の愛情表現は、時に静かで、とても繊細です。
私たちがその意味を知らないと、せっかくの「大好き!」を見逃してしまうかもしれません。ここでは、代表的な愛情表現を解説します。
あなたの愛猫も出しているかもしれないサインをチェックしてみましょう!
サイン1:ゆっくりとしたまばたき


ゆっくりとしたまばたきは、信頼を伝える「猫の投げキッス」です。
これは、「あなたに敵意はありませんよ」「あなたのそばにいると安心します」という、信頼のメッセージです。
サイン2:しっぽをピン!と立てて近づく


しっぽをピン!と立てて近づくのは、「嬉しい!」の気持ちを表していることが多いです。
「会えて嬉しい!」「大好き!」という喜びと期待感でいっぱいのサインです。
サイン3:スリスリと体をこすりつける


スリスリと体をこすりつける行動は「この人は私のもの!」という独占欲のしるし。
「この人は自分の大切な家族だ」「私のものだぞ!」とマーキングすることで、安心感を得ています。
サイン4:ゴロゴロと喉を鳴らす


心からリラックスし、満足している状態を示しています。
ただし、もともとゴロゴロと言わない子もいますし、体調不良のサインでもあるので安直に「喜んでいる!」と受け取るのも注意が必要です。
サイン5:お腹を見せる「ヘソ天」ポーズ


最大の弱点を見せる究極の信頼を表す行動です。
「あなたの前では、こんなに無防備になれるよ」という、究極の信頼の証です。
ただし撫でてほしいサインとは限りませんので、むやみに触ることはおすすめしません。
サイン6:前足で「フミフミ」する


母猫を思い出す、最高の甘え行動です。
飼い主さんのことを母猫のように慕い、子猫時代に戻ったような、最高に安心しきった気持ちになっている証拠です。
前足をフミフミするだけでなく、手をグーパー、グーパーとすることもあります。
サイン7:サイレントニャー


声にならない感じで「にゃー」と鳴く行動をしていたら、それはあなただけに向けた特別な「おねだり」です。
あなたを母猫のように信頼し、精一杯甘えたい気持ちの表れです。
うっかりやりがち!愛猫の信頼を失うNG行動5選


愛情表現を知るのと同じくらい大切なのが、「猫が嫌がること」をしないことです。
良かれと思ってやった行動が、実は猫にとって大きなストレスになっているかもしれません。猫の「怒るポイント」を知って、愛猫との信頼関係をさらに深めましょう。
ちなみに、猫が怒るサインには
- 耳が横に倒れる(イカ耳)
- しっぽを床にバタンバタンと叩きつける
- 『ウーッ』と低い声で唸る
- 『シャーッ!』と威嚇する
などがあります。これらのサインを見たら、すぐに行動を中止してあげてください。
- 気分を無視したしつこいスキンシップ
- 突然の大きな音や素早い動き
- 嫌がる場所を無理やり触る
- 食事・睡眠・トイレの邪魔
- 猫が苦手な「匂い」
NG行動1:気分を無視した、しつこいスキンシップ
猫は自由気ままで自分のペースを大切にする生き物です。
あなたが構いたいタイミングと、猫が構ってほしいタイミングは必ずしも一致しません。 寝ているのを無理やり起こしたり、何かに夢中になっているのを邪魔したり、嫌がっているのに抱っこし続けたり…。
しつこいスキンシップは、猫にとって「自由を奪われる」大きなストレスになります。
NG行動2:突然の大きな音や素早い動き
猫の聴覚は人間の何倍も優れています。そのため、私たちが何気なく立てる物音も、猫にとっては轟音に聞こえることがあります。
生活音であるくしゃみや咳、ドアを勢いよく閉める音、掃除機の音、突然の歓声などは、猫をびっくりさせてしまい不安にさせることがあります。
「この人のそばにいると、嫌なことが起きる」と学習させないよう、家の中では穏やかに過ごすことを心がけましょう。
NG行動3:嫌がる場所を無理やり触る
撫deられるのが好きな猫でも、触られたくない「NGゾーン」があります。
特にお腹や足先、しっぽの先は、急所であったり自由を奪われる感覚があったりするため、嫌がる子が多い場所です。
猫が気持ちよさそうにしているか、表情やしっぽの動きをよく観察しながら、喜ぶポイントを探してあげることが大切です。
NG行動4:食事・睡眠・トイレの邪魔
食事、睡眠、排泄は、猫が生きていく上で非常に重要でデリケートな時間です。
食べている最中にちょっかいを出したり、気持ちよさそうに寝ているのを邪魔したり、特に無防備になるトイレ中をジロジロ見たり、終わった直後にすぐに掃除したりするのはやめましょう。
安心して食事や休息、排泄ができる環境を守ってあげることは、飼い主の重要な役目です。
NG行動5:猫が苦手な「匂い」
人間にとって良い香りでも嗅覚が鋭い猫にとっては不快なことがあります。
特に柑橘系(レモン、オレンジなど)や、ミント、香辛料、アロマオイル、香水、タバコの匂いは苦手な子が多いです。
猫の生活空間では、強い香りのする芳香剤や消臭スプレーの使用は避けた方が賢明です。
【実践編】愛猫ともっと仲良くなる3つのアクション


猫の「好き」と「嫌い」を理解したらいよいよ実践です。
あなたから愛猫へ愛情を伝えることで、ぐっと絆が深まります。ペットホテルスタッフも実践している方法を3つお教えしますので、ぜひ実践してみてください。
- ゆっくりまばたきをして「愛情のお返し」
- 猫が喜ぶ「撫で方」をマスター
- 「遊び」で信頼関係を築く
術1:ゆっくりまばたきをして「愛情のお返し」をしてみよう
猫が飼い主さんを見ながらゆっくりまばたきすることは親愛の行動です。そのチャンスがきたら、あなたも目を細めるようにして、ゆっくりとまばたきを返してみましょう。
「私もあなたのことが大好きだよ」という気持ちが伝わり、絆がさらに深まります。



直接猫に触れないけど伝えられる行動というのがポイントだね。



この方法は受け身な方法ではあるけど、猫ちゃんにストレスが限りなく少なくて済むからどんどんやりたいね!
術2:猫が喜ぶ「撫で方」をマスターする
猫には撫でられて嬉しい場所と、あまり触られたくない場所があります。
一般的に喜ばれるのは、自分の匂いをつけやすい顔周り(額、頬、あごの下)や、しっぽの付け根などです。
猫の反応を見ながら、優しく触れてあげましょう。



この「撫で方のマスター」については、しっかり関係性ができてからでないと猫ちゃんを怒らせてしまうこともあるから注意が必要だね。



良かれと思って好きそうな場所を撫でたら、引っ掻かれてしまったことが私たちもあるよね。
術3:「遊び」で信頼関係を築く
猫じゃらしなどで一緒に遊ぶ時間は、猫の狩猟本能を満たすだけでなく、飼い主さんとの大切なコミュニケーションの時間です。
「この人といると楽しい!」と思ってもらうことが、最高の信頼関係に繋がります。 愛猫のお気に入りのおもちゃを見つけて、毎日5分でもいいので集中して遊ぶ時間を作ってみましょう。



おやつを使うのももちろん良いんだけど、肥満になってしまうケースもあるから、『まるまるハウス』ではあまり与えてないね。



おもちゃも良いけど、「レーザーポインター」も結構オススメ!
まとめ:大切なのは、猫の気持ちに寄り添うこと


猫に好かれる人に共通しているのは、特別なテクニックよりも「猫の気持ちを理解しよう」という優しい心です。
愛猫のペースを尊重し、小さな「大好き」サインに気づいて、嫌がることはしない。そして、あなたからも愛情を返してあげる。この日々のコミュニケーションの積み重ねが、何にも代えがたい固い絆を育んでいきます。
この記事が、あなたと愛猫の毎日を、より一層豊かで幸せなものにするきっかけになれば嬉しいです。
ペットホテル『まるまるハウス』より
私たちが日々のお世話で何よりも大切にしているのは、まさにこの記事でお伝えしたような「一頭一頭の猫ちゃんの気持ちに寄り添うコミュニケーション」です。
性格や年齢、好きなことや苦手なこと。それぞれ違う個性を持った猫ちゃんたちが、飼い主さんと離れている間も、安心してリラックスして過ごせるように私たちは、その子のサインを見逃ず、嫌がることは絶対にしないよう、その子に合ったペースでお世話をすることを徹底しています。
ご旅行や出張などで愛猫のお留守番にお困りの際は、ぜひ私たち『まるまるハウス』にご相談ください。
この記事でご紹介したような猫ちゃんの気持ちに寄り添うお世話で、大切なご家族を心を込めてお預かりいたします。
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