「愛犬のために防災準備をしたいけど、何から手をつければいいかわからない…」
「一応準備はしているけれど、本当にこれで十分なのかな?」
「いざ避難しなくちゃいけなくなったら、どうしよう」
いつ起こるか分からない自然災害。私たち人間だけでなく、大切な家族の一員であるワンちゃんにとっても災害は大きな脅威です。
地震や台風、大雨などのニュースを見るとドキッとしてしまい、自然災害に向けた防災準備が万全かどうか、不安に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?
私たち『まるまるハウス』は、小型犬から大型犬、小動物や鳥類、爬虫類まで、文字通りなんでも預かるペットホテルを運営し、150匹以上の動物たちと関わってきました。
この記事では、ペットホテルの経験から、本当に必要な防災グッズから、意外と見落としがちな便利アイテムまでを解説し、防災にまだ自信が持てない方向けに「防災チェックポイント」を大公開しています。
この記事を読めば、いざという時に後悔することなく、万全な状態で災害への対処が行えるようになります。最後まで読んで、愛犬と飼い主さんの素敵な生活を守りましょう!

防災に準備しすぎはないから、すべてやる!くらいの気持ちでいいね!
犬の防災準備はなぜ必要?


東日本大震災を教訓に、環境省はペットとの「同行避難」を原則とするガイドラインを示しました。これは、災害時にペットを家に置き去りにせず、一緒に避難所まで避難行動をとることを意味します。
しかし、知っておかなければならない現実もあります。
- 避難所のルールは様々
「同行避難」がOKでも、飼い主と同じ空間で過ごせる「同伴避難」が可能な避難所はまだ多くありません。多くの場合、屋外や指定されたスペースのケージやクレートで過ごすことになります。 - 環境の変化による大きなストレス
慣れない場所の匂いや物音、たくさんの人々や他の動物の存在は、想像以上のストレスとなります。
こうした過酷な状況を乗り越えるためには、普段からの「備え」が何よりも大切になります。



昨今の「ペットは家族」という風潮も相まって、考え方が変わっていっているから「同伴避難」がもっと浸透したらいいね!
【基本の備え】絶対に外せない!必須防災グッズチェックリスト


まずは、何をおいても準備しておきたい「必須アイテム」です。人間の非常用持ち出し袋とは別に、ワンちゃん専用のリュックなどにまとめておきましょう。
命と健康を守るもの


フード・おやつ(最低5日分、できれば7日分以上)
災害時にいつもと同じフードが手に入るとは限りません。食べ慣れたものを少し多めに準備しておきましょう。
特に、アレルギーを持つワンちゃんや、特定のフードしか食べない偏食気味のワンちゃんの場合は、より注意が必要です。普段から複数の種類のフードを試しておき、いざという時に代替できるフードを見つけておくと安心です。
水(最低5日分、できれば7日分以上)
飲み水は命をつなぐために必須です。必ず確保しておきましょう。避難先で水は飲み水以外にも使用できるので、場所が確保できるなら多めに確保しておくと安心です。
避難先では、飲み水の他に、体を拭いたり、傷口を洗ったりするなど、様々な用途で水が必要になります。もしスペースに余裕があるようでしたら、犬のためだけでなく、自分自身のためにも、できる限り多めに水を確保しておくことを強くお勧めします。
常備薬・療法食
持病のある子にとってはまさに命綱です。必ずかかりつけの獣医師に相談し、予備を処方してもらいましょう。お薬手帳のコピーや、かかりつけ動物病院の連絡先も一緒に保管しておくと万全です。
食器、エサ皿
持ち運びに便利な折りたたみ式のものがおすすめです。普段使っているエサ皿は、匂いがついていて安心感を与えますが、いざ災害が起きたときに使っているものを入れる時間はないかもしれません。持ち運びしやすく、さらにコンパクトになるエサ皿を防災リュックに入れておきましょう。
安全と身元証明のためのもの


首輪・ハーネス(迷子札付き)
パニックで逃げ出してしまった場合に備え、飼い主の連絡先を明記した迷子札は必ず装着させてください。古くなっていないか、サイズは合っているか、定期的なチェックも忘れずに。
リード(できれば予備も)
丈夫な素材のものを選びましょう。両手を空けたい状況も考慮に入れると、肩掛けタイプや腰に巻けるタイプのリードは非常に便利です。
肩掛けタイプや腰に巻けるタイプは、犬との距離を適切に保ちながら、両手を自由にできるため、避難時におおいに活躍してくれるでしょう。
クレート・キャリーバッグ
クレートやキャリーバックは、避難時の「犬の個室」となる非常に重要なアイテムです。見知らぬ場所での不安やストレスを軽減する役割を果たします。避難時に他の人やペットとの接触を避けるためにも、クレートは非常に有効です。
日頃から「安心できる自分の場所」として慣らしておくこと(クレートトレーニング)が、防災対策の鍵を握ります。
犬鑑札、狂犬病予防注射済票
犬鑑札、狂犬病予防注射済票は、法律で定められた、いわば「犬の戸籍」。首輪に必ず着けておきましょう。
マイクロチップの登録情報、ワクチン証明書などのコピー、愛犬の写真
万が一はぐれてしまった際の、確実な身元証明になります。スマホの故障も考えられるため、紙で印刷したものと、スマホの両方でデータを保管しておくと安心です。
衛生を保つためのもの


ペットシーツ(多めに)
ペットシーツは、本来のトイレとしての用途はもちろんのこと、ケージの床に敷くことで、ペットの足元を清潔に保ち、万が一の粗相も吸収してくれます。ペットの体を優しく拭く際にも、その吸水性と柔らかな素材が活躍します。
災害時など、緊急を要する状況下では、ペットシーツが応急処置用品として役立つこともあります。止血や傷口の保護、体温保持など、様々な用途に活用できるため、防災グッズの一つとして加えておくことをおすすめします。
排泄物処理用の袋やスコップ
避難所での共同生活では衛生管理と周囲への配慮が不可欠です。複数の犬が限られた空間で生活するため、衛生管理が不十分だと感染症のリスクが著しく高まります。犬たちはストレスを感じやすく、免疫力が低下することもあるため、清潔な環境を維持することは健康管理の基本となります。
ウェットティッシュ・タオル・ブラシ
衛生用品は、犬の体を清潔に保ち、皮膚病や感染症のリスクを軽減する上で非常に有効です。。少しでも衛生的に過ごせるように、ワンちゃん自身のお手入れができるグッズを用意しておきましょう。
また、慣れない環境での粗相や、体の匂いケアのために準備しておくと、周囲とのトラブル防止に繋がります。
【意外な盲点】これがあると安心!見落としがちな防災グッズ


必須アイテムに加えて、私たちペットのプロが「これがあると格段に違う!」と感じる、見落としがちな便利グッズをご紹介します。
- ガムテープ(布製)
- 新聞紙
- 犬用の靴・靴下
- ヘッドライト
ガムテープ(布製)
クレートが破損した際の補修や、危険な場所の養生、メモを貼り付けるなど、驚くほど多様な使い方ができる万能アイテムです。
新聞紙
防寒対策として体に巻いたり、ケージの目隠しにしてプライベートな空間を作ったり、トイレシーツの代用にしたりと、非常に役立ちます。
犬用の靴・靴下
地震の後は道にガラス片や瓦礫が散乱している危険性があります。愛犬のデリケートな足裏を守るためにぜひ備えておきたいアイテムです。いざというときに使えるように、普段から練習しておきましょう。
ヘッドライト
両手がふさがっていても明かりを確保できるヘッドライトは、夜間の避難やワンちゃんのお世話をする際に非常に重宝します。
日頃からできる3つの防災対策


防災は、モノを揃えるだけでは万全ではありません。いざという時に愛犬と自分を守るため、日頃からの「しつけ」や「心がけ」が何よりも重要です。



災害が起きてからの対応では遅いということだね!



愛犬を守るためと思って、毎日コツコツ実践しよう!
①「ハウス」のトレーニング
避難時はクレートやケージで過ごすことになります。普段からクレートやケージを常用し、「安心できる自分の部屋」だと教えてあげましょう。
おやつを使ったり、中で寝かせたりして、ポジティブな経験をたくさん積ませてあげてください。これができているかどうかで、避難生活の快適さが大きく変わります。
②社会化トレーニング
普段から他の人やワンちゃん、様々な物音に慣れさせておくことで、避難所という特殊な環境への順応性を高めることができます。知らない場所でも落ち着いていられる訓練は最高の防災対策です。
③避難場所とルートの確認
お住まいの自治体のホームページなどでハザードマップを確認し、「ペット同行避難が可能な避難所」を必ず事前に確認しておきましょう。実際にその場所まで歩いてみて、危険な箇所がないかシミュレーションしておくことも大切です。
まとめ|今日から始める防災準備





これで万全!というわけではないんだよね?



基本的な準備ができたら、飼い主さんやワンちゃんの特性に応じて必要なものを購入してみてね。意外と準備も楽しいよ。
リストを見ると「やることがたくさん…」と感じるかもしれませんが、完璧を目指す必要はありません。まずはできることから一つずつ、準備を始めてみてください。
防災に「やりすぎ」ということは、決してありません。
このチェックポイントが、あなたと大切なワンちゃんの未来を守るための一助となれば幸いです。
今日、この記事を読んだことをきっかけに、防災リュックの中身を確認したり、クレートに入る練習を始めたりしていただけたら、私たちも嬉しく思います。
ペットホテル『まるまるハウス』からのお知らせ


私たち『まるまるハウス』は、大切なご家族であるワンちゃんを、専門知識と深い愛情をもってお預かりするペットホテルです。
旅行や出張といった普段のお預かりはもちろん、災害などの緊急時における一時預かりについても、できる限りご相談に応じております。
いざという時にワンちゃんが知らない場所でストレスを感じないよう、普段からホテルに慣れておく「練習お泊まり」も大変おすすめです。
スタッフ一同、ワンちゃんが安心して楽しく過ごせる環境を整えてお待ちしております。
見学も随時受け付けておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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